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## 悪夢の夜診

真夜中。病院の廊下は、殺風景な白い壁と、時折聞こえる心臓モニターの音だけが支配する不気味な静寂に包まれていた。咲は、夜勤の看護師として、その静寂の中で一人、勤務を終えるのを待っていた。

咲は、25歳。優しくて明るい性格だが、最近、妙な疲労感に悩まされている。睡眠不足だけが原因ではないような、深い倦怠感。そして、夜になると、奇妙な夢を見るようになった。

その夢は、いつも同じようなパターンだった。白い部屋に閉じ込められ、金縛りに遭う。そして、黒い影のようなものが現れ、抵抗できないまま、性的な暴行を受ける。その影は、巨大で、異様なほどに力強く、そして、冷たかった。目が覚めると、全身が疲労困憊し、身体の奥底から何かを奪われたような虚脱感に襲われた。

ある夜、咲はいつものように夜勤を終え、休憩室で仮眠を取ろうとしていた。しかし、眠りにつく直前、再びあの冷たい感覚が襲ってきた。金縛りに遭い、動けない体に、黒い影が忍び寄る。

その影は、人型をしていた。しかし、その姿は歪み、腐敗し、人間とは思えないほど不気味だった。顔は判別できなかったが、巨大な、異様に太い陰茎が、咲の目の前に迫ってきた。

意識は朦朧としていたが、咲は、その陰茎の異様な大きさ、そして、そこから感じられる冷酷な力に恐怖を覚えた。抵抗できないまま、陰茎は咲の体の中に入り込み、激しい快感と同時に、耐え難い苦痛が押し寄せた。

それは、人間が行う行為とは明らかに違っていた。強引で、粗雑で、まるで機械のような動きだった。咲は、意識を失いそうになりながらも、その異様な行為を強いられ続けた。

気が付くと、全身に激しい倦怠感が走っていた。身体の奥底は空虚で、何かが奪われたような虚無感に包まれていた。そして、何より、その異様な陰茎の感触、冷たさと圧倒的な力、そして、その行為の非人間的な残酷さを鮮明に覚えていた。

それからというもの、咲は、日中の勤務中にさえ、あの陰茎の幻影を見るようになった。そして、夜になれば、再び金縛りに遭い、あの冷酷な性的な暴行を受ける悪夢に苦しめられるようになった。

もはや、咲は、現実と夢の境目を失いかけていた。昼間は、普通の生活を送っているように見えたが、彼女の目は虚ろで、常に何かを恐れているような、不安げな表情を浮かべていた。

ある日、咲は、夜勤中に、病室で奇妙な現象を目撃する。空気が歪み、黒い影が漂い始め、それが徐々に形を成していった。それは、あの夢の中で彼女を襲った、巨大で異様な陰茎を持つ、怪物だった。

怪物は、病室の患者に向かって近づいていった。咲は、恐怖に震えながら、その光景を見守るしかなかった。怪物は、患者に同じように金縛りをかけ、性的な暴行を加えた。

その光景を見て、咲は初めて、自分が単なる被害者ではないことに気づいた。彼女は、この怪物によって、何らかの役割を担わされているのではないかと。そして、この悪夢から逃れるためには、この怪物と対峙しなければならないと悟った。

咲は、病院の古い記録を調べ始めた。そして、過去の事件や、この病院にまつわる怪奇現象について、様々な情報を探し求めるようになった。

調査を進めるうちに、咲は、この病院で過去に、同様の事件が繰り返されていたことを知った。そして、その事件の犯行に、常に、巨大な陰茎を持つ影のような存在が関わっていることを突き止めた。

彼女は、この怪物、この悪霊ナースと戦う決意を固めた。それは、自分自身のためだけでなく、他の犠牲者を守るためでもあった。

その夜、咲は、再び金縛りに遭った。しかし、今回は違った。彼女は、抵抗しようと試みた。恐怖に打ちひしがれながらも、必死になって、怪物に抵抗し続けた。

それは、長く、苦しい戦いだった。しかし、咲は、諦めなかった。そして、遂に、彼女は怪物から、自分自身を取り戻した。

目が覚めると、咲は、今まで感じたことのないほどの疲労感と、同時に、解放感に満たされていた。悪夢は、まだ完全に消え去ってはいなかったが、彼女は、もう一人ではなかった。彼女は、この怪物と戦うための、何らかの方法を見つけるだろうと信じていた。  彼女の戦いは、まだ終わっていなかった。