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## 星影の残響、ギルドの秘密

夜の帳が降りた冒険者ギルドは、昼間の喧騒とは打って変わって静寂に包まれていた。しかし、その静けさの中に、微かな熱を帯びた空気が漂っていることを、そこにいる者たちは皆、肌で感じ取っていた。特に、ギルドの奥深く、普段は誰も立ち入らないはずの資料室からは、奇妙な音が漏れ聞こえてくる。それは、人のうめき声とも、獣の喘ぎともつかない、しかし確かに生命の躍動を感じさせる音だった。

このギルドで一際異彩を放つのは、二人のエルフの姉妹だった。姉のアリアは、流麗な銀髪と透き通るような白い肌を持つ、見る者を魅了するほどの美貌の持ち主だった。一方、妹のセレスは、漆黒の髪と妖艶な瞳を持つダークエルフであり、アリアとは対照的な美しさで人々を惹きつけた。二人は共に優秀な冒険者としてギルドで名を馳せていたが、それ以上に、互いを深く愛し、何者にも代えがたい絆で結ばれていた。

しかし、最近、二人の間には微かな暗雲が立ち込めていた。それは、ギルド職員の一人、冷酷な瞳と無駄のない筋肉を持つ男、ゼノスが原因だった。ゼノスは、ギルドの運営を一手に担う辣腕家であり、同時に、彼の周りには常に退廃的な空気が漂っていた。彼は、アリアとセレスの類稀なる美しさと実力を以前から目を付けていたが、ある日、彼の欲望は抑えきれないほどに膨張した。

ある夜、ギルドの仕事で遅くなったアリアとセレスは、疲労困憊していた。いつものように寄り添いながら、温かいスープを分け合っていた二人だったが、不意にセレスが異様な顔色を浮かべた。「姉さん……なんか、具合が……」言葉にならないうちに、セレスの体がぐらりと傾いた。間一髪でアリアが支えるが、セレスの目はうつろで、熱が出ているようだった。

「セレス！大丈夫？」アリアは心配でたまらなかった。ギルドの医務室へ運ぼうとしたその時、ゼノスが静かに姿を現した。「セレスは疲れているだけだ。すぐに治まるだろう。アリア、君はもう少しここに残って、セレスの様子を見ていてくれないか？」その言葉に、アリアは疑う余地もなく頷いた。ゼノスは、セレスを肩に担ぎ、奥の資料室へと向かった。「少し休ませてあげよう」その言葉に導かれるように、アリアも後を追った。

資料室は、古い書物や奇妙な薬品が所狭しと並べられ、薄暗く異様な雰囲気を醸し出していた。ゼノスはセレスを横たえると、手際よく彼女の衣服を脱がせ始めた。「心配するな、アリア。この薬を使えば、すぐに熱は下がる」そう言ってゼノスは、小さな瓶に入った透明な液体をセレスの口に流し込んだ。その瞬間、セレスの体に異様な変化が現れた。

アリアは、目の前で起こっていることに呆然とした。セレスの肌が妖しく光り始め、体の曲線がより際立つように見えた。そして、ゼノスの手つきが、セレスを介抱しているというよりは、何か別の目的を持っているかのように、滑らかで、しかしどこか貪欲にセレスの体を弄んでいるように見えたのだ。「ゼノス、何を……？」アリアの声が震えた。

ゼノスはゆっくりと振り返り、妖しい笑みを浮かべた。「これは、セレスのためだ。彼女の持つ可能性を、さらに引き出すための特別な薬だよ」彼の言葉は、アリアの理解を超えていた。ゼノスは、セレスの体をさらに深く探り始めた。彼の指先は、セレスの肌の上を滑るように動き、セレスは抗うこともできず、ただ喘ぎ声を漏らすだけだった。アリアは、自分の知っているセレスとは違う、見知らぬセレスがそこにいるように感じて、恐怖に震えた。

その時、ゼノスはアリアに向き直った。「アリア、君も知るべきだ。このギルドが、冒険者たちの力を最大限に引き出すために、どのような秘密を隠しているのかを」ゼノスは、さらに異様な物をアリアに見せた。それは、特殊な加工が施された、人間の体にぴったりとフィットする形状の道具だった。一見すると、それはただの滑らかな素材でできた物体に見えるが、その表面には微かに光る紋様が刻まれており、触れるだけで不思議な感覚が走った。「これは、オナホと呼ばれるものだ。人間の快楽を増幅させ、精力を引き出すための道具だよ」ゼノスの言葉に、アリアの血の気が引いた。「まさか……セレスに、こんなことを……？」

「セレスは、このギルドにとって貴重な存在だ。彼女の力を、さらに高める必要がある。そのためには、我々職員が、彼女を導いてやらねばならないのだ」ゼノスは、冷徹に告げた。そして、彼はアリアに、セレスの横に座るよう促した。アリアは、セレスの変わり果てた姿を見て、激しい拒絶感を覚えたが、ゼノスの威圧的な視線と、セレスのうめき声に、無意識のうちにセレスの隣へと移動していた。

ゼノスは、セレスに仕掛けた道具を、さらに巧妙に操り始めた。セレスの体は、その刺激に反応し、ますます激しく喘ぎ始めた。その様子を、ゼノスは満足げに見つめ、そしてアリアに言った。「アリア、君もセレスと同じように、このギルドに貢献する必要があるのだ。愛するセレスのためにも」

アリアは、愛するセレスが、自分の目の前で、他の男に弄ばれているという事実に、耐え難い苦痛を感じていた。しかし、ゼノスの言葉の裏にある意味を、その瞬間、理解した。セレスのこの状態は、単なる薬の副作用ではない。ゼノスは、このギルドの暗部にアクセスし、セレスの持つエルフの特性を利用して、彼女を彼らの欲望のままに支配しようとしているのだ。そして、その次は自分だということを。

「セレス……」アリアは、震える声で妹の名を呼んだ。セレスは、かすかに目を開け、苦しげに姉を見た。その目に、アリアは一筋の光を見た。それは、諦めではなく、抵抗の意思だった。

アリアは、ゼノスの顔を睨みつけた。「あなたは、セレスを利用しているだけだ。私たちの絆を、何だと思っている！」彼女の言葉は、静かな資料室に響き渡った。ゼノスは、アリアの言葉に笑みを返すだけだった。「絆？それは、力の前では無力なものだ」

しかし、アリアは諦めなかった。彼女は、ギルドで培ってきた剣術の腕を思い出した。今は、セレスを守るため、そしてこのギルドの歪んだやり方に立ち向かうために、自分ができることをしなければならない。彼女は、ゼノスの隙を見て、懐から隠し持っていた短剣を抜き放った。

「姉さん……！」セレスが弱々しく声を上げた。その声に、アリアの決意はさらに固まった。彼女は、ゼノスに飛びかかった。しかし、ゼノスはアリアの動きを全て予測していたかのように、容易く彼女の攻撃を捌いた。むしろ、彼の力強さは、アリアを凌駕していた。

「無駄だ、アリア。このギルドでは、力が全てだ」ゼノスは、アリアの短剣を弾き飛ばし、彼女を地面に押さえつけた。アリアは、抵抗したが、ゼノスの圧倒的な力の前には為す術もなかった。彼女の目には、絶望の色が浮かんだ。

その時、セレスが、自分に仕掛けられた道具を、必死に掻きむしろうとした。彼女の指先は、血で赤く染まった。そして、その激しい抵抗が、予期せぬ結果を招いた。セレスの体から、眩い光が放たれたのだ。その光は、資料室全体を包み込み、ゼノスの動きを一時的に止めた。

「これは……！」ゼノスが驚愕の声を上げた。アリアは、その隙を見逃さなかった。彼女は、地面から飛び起き、ゼノスに渾身の一撃を食らわせた。ゼノスは、よろめき、その場に倒れ込んだ。

「セレス！大丈夫？」アリアは、セレスの元へ駆け寄った。セレスは、疲労困憊していたが、その目は以前よりも力強く輝いていた。「姉さん……私……」セレスは、自分が放った光の力で、ゼノスの道具の効果を一時的に打ち消すことができたのだ。しかし、その力は、セレスの生命力を大きく削っていた。

「大丈夫よ、セレス。もう大丈夫」アリアは、妹を抱きしめた。二人の絆は、どんな力よりも強かった。しかし、今回の出来事は、ギルドの裏側に潜む闇を二人に思い知らせた。彼らは、このギルドで生き抜くためには、常に警戒し、自分たちの力を守る必要があることを悟ったのだ。

「あの男は……どうするの？」セレスが、まだ倒れているゼノスを見た。アリアは、短剣を拾い上げ、ゼノスに向けた。しかし、彼女はそれを振り下ろすことはできなかった。「逃がすわけにはいかないわ。でも、私たちが彼を裁くことはできない」

二人は、静かに資料室を後にした。ギルドの静寂は、再び彼女たちを包み込んだが、その静寂は、以前とは全く異なる意味合いを帯びていた。彼女たちは、このギルドの秘密を知ってしまった。そして、愛する者を守るために、自分たちもまた、この闇の中で戦わねばならない運命にあることを、強く感じていた。星影がギルドの窓を照らし、二人の決意を静かに見守っていた。