【エロ動画】【DX Edition】なつやすみのたからもの【中編】・なつやすみのたからもの【特別編】【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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過去作、2作品セット版。

『なつやすみのたからもの【中編】』(RJ335620)
『なつやすみのたからもの【特別編】』(RJ335623)

## 陽炎と記憶の欠片

蝉の声が耳朶を打つ。夏の盛り、ギラギラと照りつける太陽は、アスファルトを焦がし、陽炎を揺らめかせていた。俺、健太は、中学二年の夏休み、約束通り、あの日から三年ぶりに、あの秘密基地へと向かっていた。

「健太、待たせた！」

坂道の途中、息を切らせたカズキが追いついてきた。黒いTシャツは汗で肌に張り付き、額には玉の汗が光る。

「お前、相変わらず遅いな」

「うるせぇよ。でも、今日のことは別だろ？」

カズキの目に、期待と少しの不安が交錯しているのが見えた。俺も同じ気持ちだった。三年。それは、思春期という激動の時期においては、遥か昔のことのようでもあり、つい昨日のことのようでもあった。

「なあ、今日、本当に『あれ』、見つかると思うか？」

「さあな。でも、見つけないと、俺たちはずっとこのままなんだろ？」

俺たちは、中学一年生の夏、ある「宝物」を探していた。それは、誰かに見つけられることを願って、誰かが残していった、でも、誰も見つけられなかった、そんな宝物。それは、俺たちの友情の証であり、同時に、あの夏を終わらせたくなかった、という子供たちの切ない願いの形でもあった。

秘密基地は、町の外れにある、今はもう使われていない古い倉庫の奥に隠されていた。埃っぽい空気と、カビの匂いが混じり合った空間。壁には、俺たちが描いた落書きや、拾った貝殻、集めた石などが、当時のまま残っていた。

「うわ、懐かしいな…」

カズキが、壁に貼られた色褪せた写真に目を細める。写っているのは、俺たちと、もう一人。ユキだ。

ユキ。

その名前を聞いただけで、胸の奥がチクリと痛んだ。ユキは、俺たちにとって、太陽のような存在だった。明るくて、優しくて、いつも周りを笑顔にする女の子。俺たちは、三人でいつも一緒にいた。秘密基地で、川で、祭りで。あの夏は、ユキがいたから、特別だった。

「ユキの絵、まだ残ってるぜ」

カズキが指差した場所には、クレヨンで描かれた、歪んだ家と、太陽、そして、笑顔の三人組の絵があった。ユキの絵は、いつも元気で、力強かった。

「…そうか」

俺は、その絵に触れることができなかった。触れてしまえば、あの夏が、ユキが、まるで幻だったかのように、消えてしまいそうで。

「あの日、ユキが言ってたんだ。『この夏が終わる前に、きっと見つけられるよ。私たちだけの、特別な宝物』って」

カズキの声が、少し震えている。

「俺たち、あの宝物探しに夢中になりすぎて、ユキが…」

「…もう、いいよ」

俺は、カズキの言葉を遮った。あの日のことは、もう何度も頭の中で反芻した。ユキは、宝物を見つける約束をした夏休みの終わりに、姿を消した。病気だった、と後で聞いた。俺たちは、ユキが残した「宝物」を探し続けることを、ユキへの約束にした。しかし、見つからないまま、三年が経った。

「さあ、探そう。今日は、絶対に」

俺は、カズキに力強く言った。カズキも、頷き、俺たちの「宝物探し」が再開された。

倉庫の隅々まで、二人で掻き回した。古びた段ボール箱、錆びついた工具、埃を被った自転車の部品。何もかもが、あの夏の日々を呼び覚ます。

「これ、なんだっけ？」

カズキが、木箱から取り出したのは、色とりどりのビー玉だった。

「ああ、これ！ユキが、『宇宙のかけら』って言ってたんだ。キラキラしてて、綺麗だったよな」

俺は、ビー玉を手に取った。指先で転がすと、光を反射して、万華鏡のような模様を描く。ユキは、いつも身の回りのものを、特別なものに変えてしまう力を持っていた。

「ユキは、本当に不思議な子だったな」

カズキが、感慨深そうに呟いた。

「俺たち、ユキのこと、どれくらい知ってたんだろうな？」

その言葉に、俺は何も答えられなかった。ユキは、俺たちにとって、まぶしすぎる光だった。その光の本当の輝きを、俺たちは、見ようとしていなかったのかもしれない。

「健太、これ！」

カズキの声が、倉庫の奥から響いた。そちらに駆け寄ると、カズキは、一枚の古い色紙を手にしていた。

「なんだ、これ？」

「いや、なんか、裏に何か書いてあるみたいなんだ」

カズキが、慎重に色紙を裏返した。そこには、ユキの丁寧な字で、こう書かれていた。

『二〇XX年 七月三十一日 健太へ、カズキへ。 この宝物は、私が見つけた、一番大切なもの。 きっと、二人にも、見つけてほしい。 この暑い夏に、この秘密基地に、隠しました。見つけたら、お友達でいてね。 ユキより』

俺たちの心臓が、ドクンと跳ねた。

「これだ…これが、ユキの言ってた宝物だ！」

カズキが、興奮した声で叫んだ。俺も、言葉を失った。ユキが、俺たちのために、宝物を隠してくれた。そして、その宝物は、俺たちの友情を、永遠に繋ぎ止めるためのものだった。

「でも、この色紙だけじゃ、どこにあるか分からないな」

カズキが、悔しそうに顔をしかめる。

「いや、待てよ」

俺は、ユキの絵に目をやった。ユキの絵は、いつもそこに、彼女の気持ちを写し出していた。

「ユキの絵、もう一度見てみよう」

俺たちは、ユキの絵の前に戻った。歪んだ家、太陽、そして、笑う三人。

「この太陽…なんか、おかしくないか？」

カズキが、太陽の絵を指差した。確かに、ユキの絵にしては、太陽が少し不自然だった。

「…太陽、じゃないのかも」

俺は、絵をじっと見つめた。太陽の周りを囲むように描かれた、小さな点々。それは、まるで、星のようだった。

「星…」

カズキが、呟いた。

「ユキ、夏の大三角、好きだったよな」

夏の大三角。ベガ、デネブ、アルタイル。あの夏、ユキは、夜空を見上げて、その星たちを指差して、色々な物語を語ってくれた。

「この絵は、夏の大三角を…」

俺は、絵の太陽の部分に、指を這わせた。そして、その周りの点々を辿っていく。

「…ここだ！」

俺は、思わず叫んだ。太陽の絵の、中心より少し左下。そこには、他の点々よりも、少しだけ濃く描かれた、小さな丸があった。

「まさか…」

カズキと顔を見合わせる。俺は、その絵の場所を、倉庫の壁に照らし合わせた。倉庫の壁は、古びてひび割れ、ところどころ板が剥がれている。

「この辺り…？」

俺は、絵の場所に対応する壁の箇所に、そっと手を触れた。すると、指先に、わずかな凹凸を感じた。

「ある！」

俺たちは、息を呑んで、その場所を注意深く探った。すると、剥がれかかった板の隙間から、小さな木箱が、顔を覗かせているのが見えた。

「これだ！」

カズキが、震える手で、箱を引き出した。箱は、古く、表面は木目もほとんど分からないほど傷ついていた。

「開けてみよう」

俺たちの期待は、最高潮に達していた。箱を開けると、中には、色とりどりの石が、ぎっしりと詰まっていた。虹色に輝くもの、夜空のような黒いもの、燃えるような赤色をしたもの。

「うわあ…」

カズキが、息を呑んだ。俺も、言葉を失った。それは、まさに、ユキが言っていた「宇宙のかけら」だった。

「これ…全部、ユキが集めたのか？」

「そうに違いない」

俺は、石を一つ手に取った。ひんやりとした感触。その石は、まるで、ユキの笑顔のように、温かく、そして、どこか切なかった。

「『この宝物は、私が見つけた、一番大切なもの』…」

ユキの言葉が、胸に響く。それは、彼女が、俺たちとの友情を、どれほど大切に思ってくれていたかの証だった。

「ユキ、ありがとう」

俺は、静かに呟いた。カズキも、隣で、目元を赤くしていた。

「俺たち、ユキが残してくれた、この宝物、ずっと大切にしようぜ」

カズキの言葉に、俺は力強く頷いた。

秘密基地を出ると、太陽は、夕焼けに染まり始めていた。空は、赤とオレンジと紫のグラデーションを描き、その中に、星が瞬き始めていた。

「ユキ、見てるかな」

カズキが、空を見上げて言った。

「きっと、見てるよ」

俺は、手に持った石を、そっと握りしめた。この石は、ただの石ではない。それは、ユキの笑顔、ユキの優しさ、ユキとの思い出、そして、俺たちの友情の、かけらだ。

「なあ、健太」

「ん？」

「また、三人で、あの星を見たいな」

カズキの言葉に、俺は、少しだけ、悲しいけれど、確かな温かい気持ちになった。

「いつか、きっと」

俺は、そう答えた。

三年ぶりに訪れた秘密基地。あの夏を、ユキを、そして、失われた友情を、もう一度探しに来たつもりだった。しかし、俺たちが見つけたのは、宝物だけではなかった。それは、あの夏の日々が、決して色褪せていないこと、そして、ユキが、今も、俺たちの心の中で、輝き続けていることだった。

陽炎が揺らめく夕暮れ。俺たちは、それぞれの心に、ユキからの「宝物」を抱きしめながら、静かに歩き始めた。あの夏は、終わった。しかし、俺たちの「なつやすみのたからもの」は、これからも、ずっと、俺たちの心の中で、輝き続けるだろう。

（了）