【エロ動画】[スマホ対応]如月まりんの場合[お兄ちゃんとヒロピンごっこ 後編]ムービーズ【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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## 如月まりんの場合：ヒロピンごっこ、その向こう側（後編）

蝉時雨が夏の盛りを告げる頃、如月まりんの部屋は、いつもと変わらず、ほんのりと甘い香りが漂っていた。壁一面に貼られたアイドルグループ「キラ☆スター」のポスター、床に散らばったぬいぐるみ、そして、ベッドの上に広げられた、数々の「キラ☆スター」グッズ。まりんは、そんなお気に入りの空間で、今日もまた、最愛の兄、悠真（ゆうま）との「ヒロピンごっこ」に没頭していた。

「お兄ちゃん、この衣装、似合ってる？」

まりんは、キラキラと輝くラメ入りの布で作られた、アイドルのコンサート衣装を模した手作りコスチュームを身に纏い、悠真に問いかけた。悠真は、傍らの椅子に座り、タブレット端末を操作しながら、不機嫌そうに鼻を鳴らす。

「似合ってるとか、そういう問題じゃねーだろ。そもそも、その服、どこから出てきたんだよ。」

悠真の声には、いつものように、呆れと苛立ちが混じっていた。しかし、まりんにはそれが、兄なりの愛情表現なのだとわかっていた。悠真は、普段はクールで無口だが、まりんのことになると、途端に世話焼きになってしまうのだ。

「えへへ、これはね、この間、お母さんがフェルトで買ってきてくれた生地で、自分で作ったんだよ！お兄ちゃんにも、キラ☆スターのメンバーカラーのTシャツ、作ってあげようか？」

まりんは、悠真の横にちょこんと座り込み、キラキラした瞳で彼を見上げる。悠真は、ため息をつきながらも、その視線から逃れることができない。

「別にいらねーよ。」

それでも、悠真の指先は、タブレットから離れ、まりんの肩にそっと置かれた。その手つきは、いつも以上に優しく、どこかぎこちない。

「ヒロピンごっこ」とは、まりんが一方的に始めた、兄妹でアイドルごっこをすることだった。まりんは、キラ☆スターの熱狂的なファンであり、特にセンターを務める「ヒロイン」の、キラキラとした笑顔と、力強いパフォーマンスに魅了されていた。そして、そのヒロインになりきって、兄にステージを見せるのが、まりんの至福の時間だった。悠真は、最初は渋々付き合っていたが、いつの間にか、まりんの熱意に負け、付き合うようになっていた。

「よし、お兄ちゃん！今日のステージは、新曲の『虹色の約束』だよ！最高のパフォーマンスにするから、ちゃんと見ててね！」

まりんは、胸に手を当て、気合を入れる。悠真は、何も言わず、ただ静かにまりんを見つめている。その瞳の奥には、まりんも知らない、複雑な感情が宿っていた。

まりんは、音楽に合わせて、一生懸命に歌い、踊り始める。キラ☆スターのヒロインになりきり、その完璧なコピーを目指す。しかし、その一生懸命さは、どこか危ういほどに切実だった。まるで、この「ヒロピンごっこ」こそが、まりんにとって、現実世界で失われつつある何かを取り戻すための、唯一の方法であるかのように。

「（……あいつ、本当に楽しそうだな。）」

悠真は、まりんの姿を見ながら、心の中で呟いた。まりんが、キラ☆スターに熱中し始めたのは、数年前のことだ。それまでは、活発で、周りの子供たちともすぐに打ち解ける、明るい女の子だった。しかし、ある出来事をきっかけに、まりんの様子がおかしくなった。

「（あの時、俺が…）」

悠真の脳裏に、鮮明な記憶が蘇る。それは、まりんが小学校に上がる前の、ある夏の日のことだった。近所の公園で、まりんが他の子供たちに仲間外れにされ、泣いていた。悠真は、その光景を目の当たりにしながらも、どうしていいか分からず、ただ立ち尽くしていた。結局、まりんは一人で家に帰り、それ以来、以前のように外で遊ぶことを避けるようになった。

「（俺が、あの時、もっとちゃんと…）」

悠真は、自分の無力さを悔やんだ。そして、まりんがキラ☆スターに夢中になるにつれて、彼女の世界は、より一層、内向的になっていった。学校での友達関係も、希薄になっていく。唯一、まりんが心を開けるのは、兄である悠真だけだった。

「お兄ちゃん、どうだった？今日の私、ヒロインに近づけたかな？」

歌い終えたまりんは、息を切らしながら、興奮した様子で悠真に感想を求めた。悠真は、いつものように、素っ気ない言葉を返す。

「まあ、悪くはなかったんじゃねーの。」

しかし、まりんはその言葉に満足したように、満面の笑みを浮かべた。

「やったー！ありがとう、お兄ちゃん！」

その笑顔に、悠真の胸は締め付けられた。まりんの純粋な喜びは、彼の心に、複雑な感情の波紋を広げた。

「（俺は、あいつを…）』

悠真は、まりんの輝きを守りたいと思った。そして、同時に、彼女が現実世界から遠ざかっていくことへの不安も感じていた。この「ヒロピンごっこ」は、まりんにとって、心の拠り所なのかもしれない。しかし、それが、彼女の成長の妨げになるのではないか、という懸念も、悠真にはあった。

「（でも、俺には、あいつの心を傷つける権利なんて、ないんだ。）」

悠真は、自分に言い聞かせるように、静かにまりんの頭を撫でた。

「おい、まりん。」

「ん？どうしたの、お兄ちゃん？」

「その…キラ☆スターの、次のライブ、一緒に行ってみねーか？」

悠真の突然の提案に、まりんは目を丸くした。

「え…！本当？お兄ちゃん、一緒に行ってくれるの！？」

「ま、まぁ、暇だったらな。」

悠真は、照れくさそうに視線を逸らした。しかし、まりんの顔は、希望に満ちて輝いていた。

「やったー！ありがとう、お兄ちゃん！絶対、最高に楽しいライブにしようね！」

まりんの無邪気な声に、悠真の口元にも、かすかに笑みが浮かんだ。

「ヒロピンごっこ」は、これからも続いていくだろう。しかし、それは、ただの遊びでは終わらないのかもしれない。悠真は、まりんの成長を、そして、彼女が「ヒロピンごっこ」の向こう側で、どのような輝きを見つけるのかを、静かに見守ろうと決めた。

夏の午後、蝉時雨は止むことなく、悠真とまりんの部屋に響き渡っていた。それは、二人の兄妹にとって、特別な時間が、まだ始まったばかりであることを告げているかのようだった。