【エロ動画】東方脱部録【アダルトAVアニメ・ゲーム】

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SE: 魔王魂　ニコニ・コモンズ
音楽: めいす/狐兎猫。/中山那奈
企画・運営:刺蜂

本作は「上海アリス幻樂団」原作「東方地霊殿」の二次創作ゲームです。

## 東方脱部録 ～地底からの使者～

暗闇は深く、静寂は重く。だが、その静寂を破るは、か細くも力強い意志の光。地霊殿の片隅、かつては忘れ去られた鉱石の山であった場所に、奇妙な現象が起こっていた。

「……んっ……あれ？ここ……どこ？」

状況を把握できないまま、少女はゆっくりと目を開けた。見慣れない天井、仄暗い照明、そして鼻腔をくすぐる、少し鉄錆びたような匂い。彼女の名は古明地さとり。知る者ぞ知る、地霊殿の主であり、他人の心を読み取る能力を持つ、妖怪の中でも異端の存在だ。

さとりはゆっくりと身体を起こす。いつものように文庫本を片手に昼寝をしていたはずだ。いや、昼寝というよりは、読書に没頭していて、ふと意識が遠のいた、というのが正確か。しかし、次に目を覚ました場所は、書斎でも、庭園でも、ましてや自室のベッドでもなかった。

「……おかしいわね。私の心を読んでも、何も出てこない。まるで、空っぽの箱みたい」

さとりは眉をひそめた。自身の能力が通じない相手など、この世に存在しないはずだ。しかし、目の前の現実は、その常識を覆していた。周囲を見回しても、見慣れた調度品や、書物らしきものも一切ない。あるのは、無機質な鉄の壁と、壁に埋め込まれた、見たこともない模様の光源だけだ。

「これは……一体、どういう状況なのかしら？」

混乱しつつも、さとりは冷静さを失わない。知的好奇心と、わずかな不安が入り混じった感情を抱きながら、立ち上がり、壁伝いに歩き始めた。どこかに出口があるはずだ。そして、この状況を作り出した「何か」がいるはずだ。

歩き始めてしばらくすると、彼女は一つのドアに辿り着いた。しかし、それは普通のドアではない。金属製で、取っ手の代わりに、中央に丸い模様が刻まれている。その模様は、彼女が見たことのない、奇妙な幾何学模様だった。

「これは……？」

さとりはそっと手を伸ばし、その模様に触れてみる。触れた瞬間、模様が淡く光り出し、そして、彼女の耳に、どこか懐かしい、しかし耳慣れない旋律が響き始めた。それは、まるで彼女の心を映し出すかのような、リズミカルで、少し切ないメロディーだった。

「……この音楽……。まるで、どこかで聞いたことがあるような……」

彼女の能力が微かに反応する。それは、他人の心ではなく、もっと別の、漠然とした「意識」のようなものに触れているような感覚だった。

ふと、彼女の脳裏にある人物の顔が浮かんだ。古明地こいし。自分の妹であり、心を閉ざしてしまった彼女。こいしの能力は、触れた相手の心を無意識に操ること。そして、自分の心すらも、無意識に操作してしまうという、恐ろしいものだった。

「まさか……こいし？」

さとりは、一瞬、こいしの仕業ではないかと疑った。しかし、こいしがこんな手の込んだ、そして自分をこのような場所に連れてくるような真似をするだろうか。いや、こいしなら、もっと直接的で、もっと彼女の心をかき乱すようなやり方をするはずだ。

彼女は、もう一度、その模様に触れた。すると、今度は音楽と共に、かすかに映像が流れた。それは、無数の光の粒子が渦巻き、やがて一つの方向へと集まっていくような、抽象的な映像だった。

「これは……一体、何を意味しているのかしら？」

その時、彼女の背後から、もう一つの声が聞こえた。

「あら、目が覚めたのね」

さとりは振り返る。そこに立っていたのは、妖怪の山から来た、鉄の服を纏った地霊殿の住人、キーコーだった。

「キーコー！？どうしてここに？」

「どうして、と言われてもねぇ。あなたをここに連れてきたのは、私達なんだから」

キーコーは、どこか楽しげに微笑んだ。その表情には、悪意は感じられない。しかし、さとりは警戒心を解いていなかった。

「連れてきた？なぜそんなことを？」

「それはね、新しい遊びを始めたからよ。この部屋は、その『遊び場』の一つ。新しいルールを覚えるための訓練場所、と言ってもいいかもしれないわね」

「新しい遊び……？私を、何の目的で？」

キーコーは、さとりが持つ文庫本に目をやった。

「あの本、面白かった？あなたの読書癖は有名だからね。でも、もっと面白い『物語』に触れて欲しくて」

キーコーがそう言うと、壁の一部分が開き、そこから現れたのは、見たこともない機械的な装置だった。そして、その装置の画面に映し出されたのは、さとりが今まで見たこともない、奇妙な文字の羅列だった。

「これは……」

「これはね、『コード』っていうんだ。この世界の新しい言葉。これを理解することで、君は、この新しい世界を動かすことができる」

キーコーは、さとりを新たな装置の前に導いた。

「君は、このコードを解読し、この部屋の『出口』を見つけ出すんだ。このゲームの最初のステージよ」

さとりは、装置の画面を見つめた。彼女の能力は、他人の心を読み取ることで成り立っている。しかし、この「コード」は、他人の心を読み取るのではなく、この世界そのものを読み解くための鍵のように思えた。

「他人の心を読むのとは、また違う感覚ね。まるで、世界の仕組みそのものを理解するような……」

さとりは、静かに呟いた。彼女の瞳に、新たな好奇心の炎が灯る。この未知の状況に、戸惑いながらも、彼女は自身の知的好奇心を刺激されていた。

キーコーは、さとりが装置に向き合う様子を、満足そうに見守っていた。

「さあ、頑張って。君ならきっと、この謎を解き明かせるはずよ。だって、君は古明地さとりなんだから」

さとりは、キーコーの言葉に、かすかに微笑んだ。彼女は、この状況が「刺蜂」という存在によって企画されたものであることを、彼女の心の奥底で、ほんの少しだけ感じ取っていた。音楽、そしてこの「コード」という概念。それらは、彼女が知る世界の法則とは少し違う、しかし確かに存在する、新たな世界の法則。

彼女は、ゆっくりと手を伸ばし、装置のキーボードに触れた。指先がコードに触れるたび、脳裏に新たな情報が流れ込んでくる。それは、彼女の心を躍らせるような、未知の知識の奔流だった。

この「脱部録」という名前。それは、彼女が今まで所属していた「部活」から「脱出」する記録なのか。それとも、彼女自身の「能力」から「脱却」し、新たな自分を見つけるための「記録」なのか。

さとりは、知る由もなかった。しかし、彼女はすでに、この新しいゲームに魅了されていた。地霊殿の静寂から解き放たれ、未知の世界へと踏み出した彼女の、新たな物語が、今、幕を開けたのだ。

「よし……やってみましょうか」

彼女の声は、静かだが、強い決意に満ちていた。古明地さとりは、この不思議な「脱部録」という名のゲームに、挑むことを決めた。彼女の知的好奇心と、未知なるものへの探求心が、彼女をどこへ導くのか。それは、誰にも予測できない、新しい東方Projectの世界の始まりだった。

音楽が、さらに心地よく響き始める。それは、さとり自身の、新たな可能性への賛歌のように。彼女の指先が踊り、コードが画面上に現れる。地底の奥深くから、新たな使者が、新たな世界へと旅立とうとしていた。