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★原作者:うえぶんり様
https://x.com/uebunri

★イラスト:Yuyu様
https://x.com/yuyu_il

★声優:陽向葵ゅか様
https://x.com/yukanyan2525

★サークル:ほーる・いん
https://x.com/hole_in_000

## 焦土のエルフと灰色のペット

風は荒れ狂い、焦土と化した森を吹き抜けた。空は鉛色に染まり、絶望さえも凍らせるような寒気が私を襲う。私は、かつて高貴なエルフであった、リーリエル。今は、ただの一匹のペットだ。

かつては、森の守護者として崇められた一族の末裔だった。黄金の髪、透き通るような翡翠の瞳、そして誇り高き精神。だが、今は、その全てを失っている。一族は滅び、私は奴隷として、人間の男、カイルに拾われた。

カイルは、私を「性処理ペット」と呼ぶ。その言葉は、私の魂を深く抉る刃のように感じる。彼は、私の美貌、私の身体を所有物として扱っている。その冷たい視線、粗暴な手つき…全てが、私を深い奈落へと突き落とす。

しかし、私は生き延びた。いや、生き残らざるを得なかった。生きる意味を見出すため、わずかな希望を胸に。それは、カイルが持つ、奇妙な温もりだった。

彼は、私を粗雑に扱う一方で、時に優しくも接する。それは、まるで飼い慣らされた動物に対する愛情に似ていた。私が傷つくと、ぎこちなくではあるが、心配そうに私の傷を癒してくれる。彼の視線には、嫌悪だけではない、何か別の感情が潜んでいる気がした。

ある日、彼は私に、珍しい植物の種をくれた。「これは、君の故郷の花だ。育ててみろ」と彼は言った。それは、滅びた私の故郷、かつて緑豊かだった森を連想させる、淡い紫色の花だった。

私は、彼の言葉を信じた。それは、私にとって、初めての希望の光だった。小さな種を土に埋め、毎日水をやり、大切に育てた。その小さな芽が伸びる度に、私の心にも小さな希望の芽が芽生えた。

花は、ゆっくりと成長した。やがて、鮮やかな紫色の花を咲かせた。その美しい花を見つめながら、私は初めて、カイルの行動に意味を見出した。

彼は、私に、生き続ける理由を与えていたのだ。性処理ペットとしての私を、単なる所有物として見ているのではない。彼は、私に、故郷を思い出させ、生きる希望を灯してくれたのだ。

それは、彼なりの、歪んだ愛情なのかもしれない。しかし、私にとって、それは、この焦土の中で唯一の温もりだった。

ある夜、カイルは、酔っていた。いつものように、私の身体を所有物として扱おうとした。しかし、その時、私は抵抗した。初めて、彼の前に、エルフとしての誇りを示した。

私は、彼の胸を突き飛ばし、叫んだ。「私は、あなたの所有物ではない！」

カイルは、私を見据えた。彼の瞳には、驚きと、何か別の感情が混じっていた。彼は、言葉を失った。

その後、彼は私を粗雑に扱うことはなくなった。彼の態度は、以前より優しくなった。彼は、私の意見を聞き、私の気持ちを尊重するようになった。

私の心の傷は、まだ完全に癒えていない。それでも、私は、彼と、この焦土の中で、少しずつ、希望を見出していった。

紫色の花は、今も、私の傍らで美しく咲いている。それは、私たち二人にとって、小さな希望の象徴だ。

彼の愛情は、歪んでいて、理解しがたいかもしれない。それでも、この灰色の世界で、私を生きていると感じさせてくれる。彼の愛情は、私にとって、救済であり、希望の光なのだ。

焦土の中から、新たな芽生えが始まろうとしていた。灰色のペットと、堕落したエルフの、奇妙な共存が始まったのだ。それは、決して美しい物語ではない。しかし、それは、私にとって、唯一の真実だった。そして、私は、この真実を、これからも、静かに守り続けるだろう。  彼と、この焦土の中で、生きていくために。紫色の花のように、静かに、そして強く。